2013年7月25日木曜日

【清水和夫メールマガジン】第37号 アーカイブス 2012.6.25

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清水和夫メールマガジン~自動車大航海時代~
2012年6月25日 第37号
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東京大学トークショー2010 第4回

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 前回はEVについて語り合いましたが今回はヨーロッパの新しいモビリティの可能性を日本にあてはめて考えてみました。

清水 パリ市内の「ヴェリブ」というレンタル自転車は、フランスの各都市にあり、乗り捨て自由です。

加納 返さなくていいのですか?

清水 いや、返しますよ(笑)。

加納 借りた場所でなくても、決まった場所に返せばいいのですね。

清水 そうです。日本でいえば地下鉄駅の至るところに駐輪場が設置されているので、そこで返せばいい。借りるときもPASMOのようなカードで決済が可能です。来年あたりからこれがリチウムを使った電動アシスト自転車に変わりそうです。

これまではお年寄りが乗れなかったけれど、電動アシストだったら乗れるので、ひと漕ぎで15km/hぐらいまで出るものを普及させようとしています。その先に電動スクーターがあって、さっき言った二人乗りのコミューターカーをカーシェアリングでやっていきたいというのがフランスの新しい計画の中に入っています。

飯塚 町もどんどん変わっていっているのですね。

清水 町を変えないと、新しいモビリティは絶対に普及できません。しかし、日本ではこの「町を変える」という発想はなかなかありません。

飯塚 難しそうですね。

清水 日本では都市は誰が作るのでしょうか。国土交通省の旧建設省である道路局は高速道路と国道を所轄しますが、県道や市道もあるので、横串を通しにくいですね。

飯塚 クルマだけではなく、都市設計を含めて連携して考えていけなければいけないということですね。

清水 ヨーロッパは今の話ではCIVITAS(City Vitality Sustainability)というEUの元気がでる町作りプロジェクトがあります。

すごく面白い政策で、その先駆者的な役割を果たしたのがフランスのナント市です。大西洋に面し、造船が得意な町でしたが、不況で町の中心部が疲弊して非常にひどい状態になりました。それが、モビリティを変えることによって新しい町をつくり上げたのです。ここは町の中心部を30km/hと決めたので、路面電車、バス、クルマ、オートバイ、自転車、歩行者などがお互いに空気を読みながら渡ります。

そう、信号機がないのです。場所によってはゾーン15km/h、大方中心部はゾーン30km/h。旧市街の入り口にはインテリジェントボラードといって鉄柱が路面からニョキニョキ生えてきて、そこで生活している人しか入れさせない。こういう新しい都市計画が10年ぐらい前から着々と進んでいて、こういう中に新しいEVを入れるとものすごく生活が変わります。

排ガスは綺麗になるし、騒音も少ない。信号がないから景観もいい。つまり、すごしやすい町ができるのです。日本の場合はどうしても自動車やハードウエアのほうの話が先行して、都市計画といっても40年たっても変えられないようなものがたくさんあります。もう町とセットで変えていかないと新しいモビリティ社会は手に入れることはできないと思います。

加納 日本では「町を変えていこう」という政策は、まだ進んでいないのですか?

清水 一部の地方都市、例えば富山のようにLRT(ライトレールトランジット)という路面電車を入れたところもあります。首長さんたちの権限でいろいろなことができるのですが、今はどこの地方もお金がないし、どうしても中央政府に頼りがちになっていくと、中央からの指示待ちになる。例えばスズキの本社がある浜松は、30年前にトランジットモールを計画して今でもできていません。

加納 大分遅いですね。

清水 だから町の中心部がどんどん疲弊していってしまいます。逆に町の中心部は生活空間と割り切って、自動車の流入制限を実施するとかえって町に活況が出る。そういうことが今ヨーロッパで行われています。

ヨーロッパがプラグインにものすごく力を入れているのは、来年あたりベルリンのブランデンブルク門のあたりをグリーンエリアに指定して、エンジンのピストンが動いていたら流入させないという政策を考えています。今、ロンドンでは渋滞のためにコンジェスチョン・チャージ(渋滞税)があり、市内に入るときには1500円とか2000円払わなくてはなりません。それがやがてグリーン規制に変わっていくだろうというわけです。

パリ、ロンドン、ローマ、ミラノ、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘンなどでは、町の中心部は生活者のためのエリアなので、60km/h以上のスピードで走るクルマの騒音や排気ガスを抑えてしまおうという取り組みが行われるでしょう。EVだったら町の中心部に入れるという基礎をつくろうとしています。まさに都市とモビリティの新しい関係が始まろうとしています。

今、ヨーロッパではハイブリッドなどの技術は燃費をよくするだけではなく、プラグインなどに拡張し、外部電源から充電した電力で距離10kmとか20kmという距離をエンジンを使わずに走れればゼロエミッションのEVと同じ意味を持ちます。

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【DST#040】ポルシェ911カレラS vs ポルシェ911カレラ4GTS(加減速篇) / PORSCHE 911 Carrera S vs PORSCHE 911 Carrera 4 GTS(7分8秒)
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緊急ディスカッション1 「最新の自動車技術で事故は防げたのか」(37分23秒)
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スバル・レガシィマイナーチェンジ開発者インタビュー前篇/SUBARU Legacy Interview(6分56秒)
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トヨタ・ドライビング・シミュレーター / TOYOTA Driving Simulator(7分9秒)
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英国車最高峰を味わう / BENTLEY Continetal GTC(9分38秒)
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マツダCX-5パワートレーン担当者に聞く(8分2秒)
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【Start Your Engines Chronicles 1999】ホンダ・ラグレイトとバモスに試乗 / HONDA Lagreat and Vamos(28分33秒)
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【Start Your Engines Chronicles 1998】 プジョー406クーペ / Peugeot coupe 406(6分24秒)
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【Start Your Engines Chronicles 1998】アルファ・ロメオ156の魅力を探る / Alfa Romeo 156(9分22秒)
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2013年7月12日金曜日

【清水和夫メールマガジン】第36号 アーカイブス 2012.6.10

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清水和夫メールマガジン~自動車大航海時代~

2012年6月10日 第36号
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東京大学トークショー2010 第3回

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 前回はさまざまなエコカーがあるという話題でしたが、今回はEVについてその可能性を語り合いました。

清水 エコというと定義が難しくて、燃費だけなのかというと違います。排気ガスの話も考えていかなければいけないし、新しい再生可能なエネルギーにシフトできるものもエコロジーだと思います。燃費のほうばかり気にしていくと、なかなか本当のエコロジーの姿が出てきません。世界をいろいろ回ると、国によってエコロジーのとらえ方が違います。日本にもエコカーがありますが、どこからエコカーでどこからはエコカーではないのかは、よくわからないのです。

飯塚 ガソリンでも燃費がいいのがエコカーかもしれません。

清水 日本ではアメリカから輸入されたハマーがエコカー補助金の対象で、法律的にはエコカーです。トヨタのでかいアルファードもエコカーです。こども店長がでてきて、「エコカー減税&補助金」って。(笑)結局、人間がつくった政策と実態が少しずれているところがあって、私たちはちゃんとそこを見ていかないといけません。燃料消費だけでいうと、でっかいクルマはすべて「悪」で、環境に優しい小さいクルマになってしまう。今日もアストンマーティンの前で写真を撮ってブログに載せたら、「そういう“高いところ目線”でエコをしゃべるのですか」とブログに書かれました。エコというと、みんな生活を質素にして、大きいクルマには乗らない、なるべく歩いて自転車に乗るというところにどうしてもなる。

飯塚 清水さんは、僕たちと同じぐらいの年のときにはレーシングドライバーとして活躍されていたそうですね。それがどういう経緯でエコに対して興味を持つようになったのでしょうか?

清水 少し恥ずかしい話ですが、22歳ぐらいのときにたまたま志賀高原ラリーというビッグイベントでルーキーが勝ったのです。お金がないのでいいスパイクタイヤが買えなかったのですが、たまたまこのラリーは雪が降らなかったので、スパイクタイヤがなくても勝てた。だからフロックだと雑誌に書かれましたが、「ルーキー清水和夫がビッグエベント制覇」と書いてあります。雑誌には「エベント」と書いてありましたね、時代を感じます(笑)。ところが2年目にまた同じラリーで2連勝しました。しかし、当時は昭和53年規制と呼ばれる本格的な排気ガス規制が施行されました。日本メーカーはその対応に追われ、モータースポーツ活動を休止した時期でした。そのために、クルマは諦めて、一応オーディオの会社に技師として就職したのです。しかし、クルマが忘れられなくてこの世界に戻ってしまったというわけです。これでは質問の答えになっていませんね。エコを意識したのは80年代の耐久レースでしたね。燃費が厳しかったけど、速く走らないといけないし。速さはクルマの大切な効率だと分かりました。

加納 最近はレーシングカーもエコを意識していますか?

清水 もちろんです。ルマン24時間ではディーゼルのレーシングカーが常識となりましたし、F1もハイブリッドを使うようになりました。しかもドイツの24時間耐久レースでは天然ガスのレーシングカーも走っています。耐久レースは1周ごとに燃料消費量がモニターされています。一つのチームにドライバーは3~4人いるので、同じラップタイムで走っていても、「清水さんはちょっと200cc多いです」と言われることもあるわけです。ですからこっちも一生懸命に燃料を使わずに、速く走る努力をするわけです。これは普段のエコドライブに繋がると思います。

加納 無線か何かで燃費についてやりとりするのですか?

清水 今はテレメーター(走行中の車両データを無線でピットに飛ばす技術)で飛ばせないのですが、1周ごとの燃料消費量が運転しながら目で見てわかるので、1周走ると「その数字を言ってください」と無線で言われます。「今、○○リッターです」と言う「ちょっと多いです」とかね。

飯塚 速いだけではなくいかに燃料を食わない走り方をしていくかも大事ですね。

清水 そうです。だから80年代のホンダもF1で1500馬力を出していたら、レースの最後にはガス欠になってF1マシンを揺すってフィニッシュなんてシーンが思い出されます。──皆さんは80年代といっても生まれていないですね(笑)。F1は燃料をギリギリに搭載しているので計算が狂うとガス欠するのです。また、エコはなにも燃料だけではなく、タイヤやブレーキなどの消耗品も含まれています。うまいドライバーはタイヤが長持ちしますからね。当時はホンダが第2期黄金期で、F1でとても速かった時代でした。それはどういう技術かというと、ホンダのCVCCという環境に対応したシビックのエンジンの制御技術がF1の技術に使われました。日本の自動車の省エネ技術というのはF1の世界でも通用したし、もともと速く走ることはエコなのですね。だって軽くしないと速くならない。空気抵抗を小さくしないと速くならない。つまり、速く走る要素技術は全部エコロジーに繋がるので、スポーツカーは反社会的だという考え方は技術的には間違っています。ですから今、ヨーロッパで何が起きているかというと、ものすごい勢いでエコカーのスーパーカーが登場しています。ところで、飯塚さんは、アメリカのテスラ社に行ってきのですね?

飯塚 はい。夏休みに学科の研修旅行で、サンフランシスコのシリコンバレーのテスラ社にお邪魔してきました。

清水 テスラのEVスポーツカーのボディはイギリスのロータス社製のアルミボディですが、中身はパナソニックのバッテリーを使っています。メルセデスの高級車EVも開発中ですが、メルセデスの燃料電池車は「F-Cell」、BクラスのバッテリーEVを「E-Cell」と呼んでいます。これに補助電源装置のエンジンを載せると「E-Cellプラス」となり、レンジエクステンダーと呼ばれています。ハイブリッドはエンジンが主力でモーターは補助でしたが、このレンジエクステンダーはモーターが主力でエンジンは補助的に発電だけを行います。2011年のアメリカのデトロイトショーでは6000万
円以上という高価格のポルシェのスーパーカー918が発表されました。V8エンジンがドライバーの背中に搭載され、これだけで500馬力ぐらい発生します。後ろのタイヤで駆動しますが、40キロワットぐらいのモーターがフロントのタイヤに左右それぞれ独立して配置され、このモーターが左右のタイヤに異なるトルクを与えます。その結果、旋回モーメントを発生できるトルク・ベクタリング機能が可能となるのです。

飯塚 片方だけ回転させて、タイヤの回転だけで動くわけですね。

清水 イメージはそんな感じですね。この技術が実用化すると今までの私たちの常識をくつがえすようなドライビング感覚が可能となるでしょう。交差点をUターンするのにもちょっとハンドルを切っただけで容易に回ったりできそうです。

飯塚 少しハンドル操作しただけで路地の角を曲がることができてしまう。

清水 フロントに二つのモーターがあるということは、スロットルを戻すと、回生エネルギーが蓄えられます。これは市販モデルなのでリチウムイオンのバッテリーを積んでいますが、レースモデルは、F1が使っているものと同じKERSという機械的な蓄電技術です。化学的に電気を蓄える貯金ですが、KERSはフライホイールを使い、機械的に電気エネルギーを蓄えます。

飯塚 ブレーキを使うと、走っていたタイヤの回転から電気にしてエネルギーを回収できるようなシステムですね。

清水 「タイヤの回転で運動エネルギーを電気として回収する」と理解してもかまいません。分かりやすく説明すると、走っているクルマはエンジンに次いでブレーキが高温になります。なぜならブレーキは運動エネルギーを摩擦力で熱エネルギーに変換し、それを大気に捨てて冷やします。ところが、捨てられた熱エネルギーは二度と回収できないので、もったいないですよね。そこでモーターを使うと、熱エネルギーを捨てずに、電気エネルギーとして回収できるわけです。これはバッテリーでなければできない芸当ですよね。

飯塚 今のハイブリッドカーもそういうブレーキによるエネルギー回収が無駄を省く役割だったのですね。これからそういうクルマが普及していって、私たちの生活は具体的にどうなるのでしょうか。

清水 今年はEV元年ですが、まだリチウムのバッテリーも生まれたての赤ちゃんのようなものです。すぐに、ガソリン車に取って代わるなんていうことを期待してはいけません。今はエンジンとどうやって仲良くしていくかが大事です。これはルノーの縦に2人乗りの電気自動車です。2年後ぐらいにはこのEVがパリ市内を走っています。こういう小さいクルマを町なかの移動コミューターカーとして使うには、あまり長い航続距離は要りませんよね。だからリチウムバッテリーが一番ふさわしいのですね。都市では騒音や排気ガスの問題も解決できるます。EVでしたらゼロエミッションでゼロノイズなのですね。

飯塚 町の中でちょっと買い物に行くとか、そういう用途に最も適しているということですか?

清水 そうです。先に説明したポルシェのスーパースポーツカーを見てみると、これはプラグインハイブリッドなので、リチウムイオンバッテリーだけで20kmぐらいの距離はEV走行が可能かもしれません。これだったら奥さんがEV走行でデパートまでお買い物に使えるし、お父さんは高速道路まで静かにEVで走行し、高速道路に乗ったらエンジンをかけてサーキットまで行く。そういう新しいライフスタイルが6000万円払えばできます(笑)。ですからEVとハイブリッドスポーツカーは一台で二役可能となります。

飯塚 完全にEVに行くのではなくて、長い距離を走るためにはエンジンの力はまだまだ必要ですのですね。

清水 EVは新しいクルマの仲間と捉えたほうがいいと思います。トヨタやホンダが頑張って開発してきたようなハイブリッドは、さっき言ったようにブレーキのエネルギーを電気エネルギーとして貯金箱に蓄えることができるので、ストップ&ゴーが頻繁に繰りかえされる先進国の都市部ではほとんどハイブリッド化することは間違いないと思います。何故先進国かというと、ハイブリッドはコストが普通のクルマ(ノンハイブリッド)よりも高いからです。例えばインドのタタがつくっているナノという車は20~30万円です。これが10年後、20年後を考えたときに一体幾らまで下がるでしょうか。新興国ではコンベンショナルでクリーンで燃費のよいガソリン車が主に普及するでしょう。
実はディーゼルもハイブリッドと同じようにコストが高いのです。もう一つのオプションとしては、先進国の都市部では外部電力が使えるプラグインハイブリッドが主流になるのではないかと思います。大きな都市の町中ではコンパクトなEVもおおいに可能性があります。

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清水和夫のメール相談室~私はこう考える~

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相談内容(Y・Sさん 東京)
「清水さんはスポーツカーのアイドリングストップについてどう思われますか? 先日仕事の都合で深夜、新型911に乗っていました。渋谷を通らねばならず、道玄坂を走っていたのですが、不良たちがたむろしているところでちょうどアイドルストップでエンジンが停止しました。そして再始動の際に「ズバン!」とエンジンがかかってしまいました。すると、不良たちがケンカを売られたと勘違いしてこちらのほうに来るではありませんか! 私は平静を装いながら走り去りましたが、あれ以来怖くてアイドルストップはキャンセルしています」

清水の回答
「笑いそうになりました。たしかに新型911カレラのエンジンスタートの音は過激ですよね。人混みの中では周囲に気を配ることも必要かもしれません。でも、Y・S様がとった行動は正解でして、世の人は何が理由でキレるかわかりませんからね。もしもポルシェ918スパイダーなら、プラグインハイブリッドなので、モーターで静かに動き出し、スピードが乗ったらエンジンが始動するか、あるいは街中はEV走行で静かに走ることができそうです。時代の過渡期かもしれません」

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【DST#039】トヨタ・ヴィッツRS G's vs トヨタ・アクアS(加減速篇) / TOYOTA Vitz RS G'z vs TOYOTA Aqua S(6分54秒)
http://www.startyourengines.jp/dst/2012/06/dst039rs_gs_vs_s_toyota_vitz_r.php

【DST#039】トヨタ・ヴィッツRS G's vs トヨタ・アクアS(ハイスピードライディング篇) / TOYOTA Vitz RS G'z vs TOYOTA Aqua S(2分54秒)
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マツダCX-5の走りの狙いはどこにある? / MAZDA CX-5(15分59秒)
http://www.startyourengines.jp/video/2012/05/002894.php

AMGにもダウンサイジングの流れ / MERCEDES-BENZ CLS 63 AMG(4分18秒)
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【世界のモーターショー】バンコクモーターショー2012 / The 33rd Bangkok International Motor Show 2012 (4分35秒)
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タイで生産されるミラージュにタイで乗った / MITSUBISHI Mirage (7分48秒)
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レトロな新車、P.G.Oセバンヌに乗った / P.G.O Cevennes(4分50秒)
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帰ってきたビートル / VOLKSWAGEN The Beetle(5分4秒)
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ユーラシア大陸横断1万5000kmを語る 1/3(8分53秒)
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ユーラシア大陸横断1万5000kmを語る 2/3(6分44秒)
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ユーラシア大陸横断1万5000kmを語る 3/3(9分36秒)
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ホンダの先進技術4 / HONDA Meeting 2011 (7分14秒)
http://www.startyourengines.jp/video/2012/05/002882.php

ホンダの先進技術5 / HONDA Meeting 2011 (5分41秒)
http://www.startyourengines.jp/video/2012/05/002884.php

ホンダの先進技術6 / HONDA Meeting 2011 (11分36秒)
http://www.startyourengines.jp/video/2012/05/002885.php

メルセデス・ベンツ新型Bクラス発表/ Mercedes Benz New B Class
http://www.startyourengines.jp/topics/2012/06/002907.php

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