2010年2月26日金曜日

「次世代のモビリティ」コラム

 20年後に多数を占める高齢者の移動手段はどうなるのか。近距離移動用として、EV(電気自動車)中心に都市計画を考え直すことが必要だ。


 CNG(天然ガス)自動車は日本では、商用車向けに普及してきたが、今「燃料を選ぶ時代」になってきた。CNG車を一般向けに普及できない国がどうして水素を普及することができるのか。内燃エンジンの可能性が見直されてくるに伴い、相対的に水素のハードルが高くなってきた。

 新興国ではエコロジーの前にまずエコノミーがくる。こうしたことを踏まえたうえで、軽く小さく空気抵抗の少ないクルマをつくり、供給していく責任が先進国にある。先進国の目線で開発することは何としても避けていくべきだ。普及できない環境技術は世界に貢献できない。

 人工合成燃料に期待がかかる。一次エネルギーをチョイスするにもいきなり日本は原子力にいってしまう。日本の自動車メーカーは、ピストンエンジンの可能性を追究していくべきである。

 リチウムも水素もハードルが高い。100年かけて成熟した内燃エンジン技術を捨てるのはもったいない。ただ、内燃エンジンは低速のノロノロが得意ではない。EVとガソリン車とのハイブリッドがよい。スピードはエンジンにまかせ、1+1=3の効果を出す。
 大掛かりなインフラは不要であり、EVについてはEVに相応しい使い方の工夫をする。世界の自動車メーカーが10年後に目指しているのは、エンジンの著しい進化とハイブリッド化である。

 宇宙船地球号でクルマと人とが仲良くやっていくためには多様性を残していくことが大切だ。