2010年5月1日土曜日

北海道新聞 <2010.4.27>

トヨタのハイブリッドに関するシステムの解説記事が4月27日の北海道新聞に広告記事として紹介されました。参考として原稿をアップしておきます。


プリウスと言えばハイブリッド、ハイブリッドと言えばプリウスを連想するほどプリウスは自動車に新しい価値を提供しています。ここでプリウスが採用しているトヨタのハイブリッド・システム「THS2」について簡単に説明しましょう。

まずその構造ですが、二つのモーターとバッテリーとエンジンで構成されていますが、モーターが二つあるのでエンジンで充電しながら走ることができるのが大きな特徴です。アイドルストップ機能やモーターアシスト機能は勿論備わっていますが、従来の自動車にはできなかったもっとも優れた機能は「回生ブレーキ」ではないでしょうか。

走っているクルマが持つ運動エネルギーをブレーキをかえけたときに電気エネルギーで回収することができるのがハイブリッドの大きな特徴です。新幹線もスピードを下げるときには「回生ブレーキ」で電気エネルギーを回収してます。ハイブリッドや電気自動車にとってこの「回生ブレーキ」をいかに効率よく使うか、ここが肝心なポイントとなります。つまり、ハイブリッドが作れないと優れた電気自動車も作れないことになりますね。

トヨタのシステムの特徴は他のハイブリッドとは異なり、二つのモーターを持っていること。一つのモーターは充電用、残りは駆動用に使われます。バッテリーは電気の貯金箱なので、それ自体ではエネルギーはつくれません。あくまでも電気の入れ物なのです。

こうして二つのモーターを駆使して走ることとエネルギーの無駄を省くことが可能なります。しかし、回生ブレーキはブレーキの一種なのでドライバーが足で踏み込む通常のブレーキ(摩擦ブレーキ)との連係が重要となります。コンピューアーがドライバーの意志を汲み取り、回生ブレーキと摩擦ブレーキを協調させることが肝となります。そこでトヨタは初代エスティマハイブリッドを開発したときに世界で初めてバイワイヤー・ブレーキ(ブレーキペダルは電気スイッチとなり、コンピューターが計算して摩擦ブレーキを制御する)を実用化しました。この技術はECB(電子ブレーキ)と呼ばれ、2003年の二代目プリウスに採用されたのです。

しかし、トヨタはECBを単にエコのためだけではなく、予防安全のコア技術となるVSC(自動安定装置)を進化させるために開発したのです。つまり、プリウスがこだわったハイテク・ブレーキECBは「エコと安全」のために存在していることをしっかりと理解しておかないといけないでしょう。