2013年2月25日月曜日

【清水和夫メールマガジン】第27号 アーカイブス 2012.1.25

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清水和夫メールマガジン~自動車大航海時代~
2012年1月25日 第27号
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沈黙を破ったアキュラNSX

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 デトロイトモーターショーで伊東孝伸社長みずから次期NSXのデザインコンセプトをプレゼンテーションしました。NSXの名前を使うことで、ホンダは後戻りできない本気の度合いを示したかもしれません。

 伊東社長は四半世紀前、初代NSXのアルミボディの設計者だったので、ことさらNSXには深い思い入れがあります。実はすこし前までホンダはV10スーパーカー(フロントエンジンのSH-AWD)を開発していました。しかし高級スポーツカー市場の変化を敏感に受け止め、伊東社長はV10の開発にストップをかけたのです。その代わりに開発の「GO!」を与えたのが、このミドシップスポーツカーなのです。

 ショーに展示されたコンセプトカーのデザインは、エッジが利いた未来志向のスタイリングで、かなり前衛的なスタイルです。このダイナミックなデザインが与えられたボディは、全長4330mm、全幅1895mm、全高1160mm、ホイールベース2575mmでした。初代NSXが4430、1810、1170、2530mmでしたから、次期型は全長が100mmも短くなったことがわかります。詳細はまだ明らかになっていませんが、ホンダの思惑を想像しながらどんなスポーツカーなのか予測してみたいと思います。

 明らかなのは次期型NSXは本格的なハイブリッドを搭載するということです。次世代直噴V6エンジンをミドに搭載し、7速DCT(デュアルクラッチ)に30kWのモーターを内蔵したギアボックスを使うでしょう。バッテリーはもちろんリチウムですが、容量を大きくしてプラグインとする可能性もあります。

 駆動方式はAWDです。現行レジェンドが使うSH-AWDは湿式多板クラッチを使うため、複雑で重くなりますが、新開発のeSH-AWDは2つの電気モーターで左右輪を駆動するシステムです。非凡なのはフロントアクスルに左右独立した20kW前後のモーターを用いたことで、電気駆動によるAWDとベクタリングを可能としたことです。モーターがインホイールかどうかは未定ですが、たとえばコーナーリングではフロントの内輪を担当するモーターは内輪差により回生エネルギーが発生します。そしてフロントの外輪は内輪で回生した電力で駆動させることが可能なのです。内輪がブレーキ力、外輪が駆動
力、つまりフロントアクスル上で旋回モーメントを作ることが可能なのです。これで操縦性の自由度は飛躍的に向上するでしょう。

 こうした電気モーターによるトルクベクタリング効果は、ポルシェ918スパイダーや、アウディe-Tronスパイダーなど、これからのスーパースポーツカーが注目する先進的な技術です。ポルシェが先かあるいはアウディが先かと思っていた技術競争に、ホンダがNSXで参戦したのです。この技術の戦いは実に興味深いものです。

 ちなみにポルシェ918スパイダーは3.4リッターV8を積み、このエンジンは9200rpmまで回り、最高出力500ps以上と言われています。フロントアクスルの二つの電気モーターを合わせると600psは超えそうです。驚くのはこれほどの高性能を誇りながら、918スパイダーはプラグインハイブリッドなので、電気モーターだけで約25kmも走れることです。次期型NSXにもぜひこれに負けない実力を身につけてほしいと思っています。

 ボディの素材はまだ未定ですが、アルミ、カーボン、樹脂などのコンポジットボディになるかもしれません。少なくともハイブリッドを採用することによる重量増だけはなんとか避けて軽量化したいでしょう。0-100km/hではなんとかサブ4(4秒以下)を実現したいと願うのは元NSXオーナーの気持ちです。

 次期型NSXは3年以内に開発が完了し、市販は2014年頃と発表されました。生産は北米のアキュラの主力工場であるオハイオが担当するようです。日本ではホンダブランドで売られることになりますが、次期型NSXは低迷が続くホンダの起死回生の一手となるのでしょうか。ホンダはあえて「NSX」を名乗ることを決心し、新しい時代を切り拓く覚悟を決めたのですから応援したいところです。初代NSXがそうであったように、ポルシェやフェラーリとは違うスポーツカーを作ってほしいし、きっと作ってくれることでしょう。

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