2014年4月28日月曜日

【清水和夫メールマガジン】第55号 アーカイブス 2013.3.25

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清水和夫メールマガジン〜自動車大航海時代〜
2013年3月25日 第55号
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次世代自動車の本来のあるべき姿について

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 ここ数年で盛り上がりを見せてきた電気自動車(EV)ですが、ようやくその熱狂が一段落し、自動車業界も落ち着きを取り戻しつつあるように感じています。
しかし、今度は逆にEVの雲行きが妖しくなってきているようにも感じます。今回から数回にわけて次世代車が本来どうあるべきかについてリポートします。

 日本では、あまりにも性急にEVの普及を急いだ結果、様々な問題が浮き彫りになってきました。航続距離と充電問題、バッテリーの耐久性やコストの問題をどう考えるべきなのでしょうか。未解決の問題に蓋をしてEVの都市伝説が一人歩きしてしまったミスリードを防ぐことができればと思います。

 今年の2月13日、こうした問題を正しく理解し、EVの正しい普及のあり方を議論するシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」がNPO法人環境ベテランズファーム(EVF)によって開催され、私はパネルディスカッションのモデレーターとして参加しました。

 さて、このシンポジウムの裏のテーマは「そもそも次世代自動車の動力源はどうあるべきか?」といえるでしょう。

 自動車の根源とも言えるこのテーマについて闊達な議論が交わされました。日本を代表する自動車メーカーの専門技術者達が、それぞれの分野に分かれて基調講演をおこないましたので、まずはどんな内容だったのかそれぞれを簡単にレビューします。

マツダからは執行役員でパワートレーン開発本部長の人見光夫氏が内燃エンジンの可能性を示しました。
トヨタからは製品企画本部常務理事の小木曽聡氏がハイブリッドの未来ビジョンを明らかにしました。

マツダの人見氏はミスター・エンジンと呼べるほど、内燃エンジンを知り尽くした技術者であり、マツダの起死回生となったスカイアクティブテクノロジーのパワートレーンの生みの親です。小木曽氏は初代プリウスからハイブリッドの開発を担当してきており、ミスター・ハイブリッドの異名を持ちます。

日産からは小型系の車両開発を担当する執行役員の松村基宏氏が参加し、EVを中心とした次世代自動車の将来ビジョンを語りました。
そして、ホンダからは環境安全企画室室長の篠原道雄氏が水素燃料電池車を中心に、エネルギーの視点で次世代自動車の全体像を明らかにしました。

海外からはBMWジャパンからエンジニアリング本部長のルーツ・ロートハルト氏がEVの「iシリーズ」のコンセプトを発表し、Mモデルに次ぐ新しいブランドを立ち上げたことを明らかにしました。

ベンチャー界からは日本エレクトライク取締役の千葉一雄氏がニッチメーカーが考えるEVへの取り組み方を明らかにしてくれました。これらの名だたるパネラーの基調講演が続けられ、内燃エンジンの可能性をしっかりと理解した上で次世代自動車について議論が
おこなわれました。

 最近、化石燃料の枯渇や温暖化問題で内燃エンジンはまるで将来性がないような論調が多くみられますが、世界中の自動車メーカーが本気で取り組めば、まだまだ内燃エンジンは進化できると人見氏はプレゼンしました。

燃料もバイオマスや合成燃料の可能性があり、低炭素な内燃エンジンの可能性が見えてきているのです。内燃エンジンの可能性をしっかりと把握しないと次世代車のビジョンは正しく描けません。

 よく言われている効率ひとつとっても、多くの専門家が計算する前提条件は、ひと昔前の内燃エンジンの効率で試算されているのです。

人見氏はガソリンエンジンの次のステップは高圧縮+稀薄燃焼だと考えています。この頃には新しいコンセプトの環境適合型ターボ技術も実現しそうです。そのいっぽうで現状のダウンサイジングターボの将来性には疑問を投げかけています。

マツダは究極のガソリンエンジンとしてHCCI(均質予混合ガソリン自着火)を視野に入れて開発を進めているそうです。人見氏の自信あふれるプレゼンにパネラー達も納得していました。

 ディーゼルの将来性についてはどうでしょうか。
ディーゼルも排ガスと燃費とのトレードオフをいかに解決するのか、ある程度その道筋は見えているようです。しかし次世代自動車の予想の中でディーゼル車の比率はあまり多くありません。

IEA(国際エネルギー機関)のデータを見てもガソリンとハイブリッド、あるいはプラグイン・ハイブリッドは主流ですが、ディーゼルエンジンは各国の排気ガス規制が進むと、難しくなると考えられています。

しかし人見氏はポスト新長期規制を後処理触媒ナシでクリアした実績から、排ガスをさらにクリーン化することでディーゼルの可能性が潰れることはないと考えています。
この議論はユーザーのマインドセットも無視できませんが、トルキーで静かになった最新ディーゼルは走り味がプレミアムになったので、これからもしばらく人気が続くでしょう。

 人見氏からはほかにも面白いデータが示されました。燃費をどんどんよくする技術は重要ですが、同じ燃費改善率でも一ヵ月の走行距離が1000kmだとすると、リッター10kmと20kmのクルマで較べると燃料消費の差は50リッターとなり、それはそのままCO2排出量も半分となります。

しかし、燃費が優秀なリッター40kmのクルマが倍のリッター80kmになっても差
は12.5リッターにしかならないのです。つまり、燃費のトップランナーばかりを増やすのではなく、燃費の底上げをする必要があるわけです。日本のようなイナーシャウェイトごとのトップランナー方式によるカテゴリー分けでは限界がきているのです。欧米のようなメーカーの平均燃費(CAFE)の制度が必要かもしれません。

 次回はトヨタの小木曽氏が行ったプレゼンを解説したいと思います。

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Wheel Talk! 第27回ホイールトーク「日本の自動車産業はどこへむかおうとしているのか?」1/5(10分12秒)
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Wheel Talk! 第27回ホイールトーク「日本の自動車産業はどこへむかおうとしているのか?」2/5(12分12秒)
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Wheel Talk! 第27回ホイールトーク「日本の自動車産業はどこへむかおうとしているのか?」4/5(9分48秒)
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【世界のモーターショー】ジュネーブショー2013リポート1 / The 83rd Geneva International Motor Show 2013 (8分40秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.1(25分20秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.2(15分49秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.3(14分41秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.4(12分14秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.5(15分1秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.6(23分42秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」パネルディスカッション編 part.1(23分36秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」パネルディスカッション編 part.2(20分26秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」パネルディスカッション編 part.3(16分49秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」パネルディスカッション編 part.4(22分59秒)
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2014年4月11日金曜日

【清水和夫メールマガジン】第54号 アーカイブス 2013.3.10

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清水和夫メールマガジン〜自動車大航海時代〜
2013年3月10日 第54号
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道路の通行区分から考える2030年のクルマ作り

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 今回は自動車の走る通行区分の話です。世界は右側通行の国が多く、日本のような左側通行の国はマイノリティといえます。そもそも、なぜ世界共通になっていないのか不思議に思う人もいるでしょう。しかし、各国それぞれ独自の理由や背景があるのです。今回はそういった理由や背景を解説し、今後どうなっていくのか現状から予想したいと思います。

 まず左側通行の日本ですが、諸説ある中で私がもっともらしいと思う説を紹介します。時は江戸時代(1603年〜1868年)にさかのぼります。参勤交代と呼ばれる当時の制度により、地方の武士は中央の江戸への定期的な出仕が求められ、整備された街道を長旅していました。そういった行き来によって武士が街道をすれ違うことが多かったのですが、武士は左腰に挿し物(刀)があります。そのため右側通行にしてしまうと、対向から来た武士と鞘があたってしまう恐れがあったのです。

この時代の左側通行の習慣が現代につながっているのかもしれないのです。おそらくイギリスもナイト(騎士)がいたので同
じく左側通行となったのではないかと私はにらんでいます。

 一方、ほかの欧州は右側通行の国がほとんどです。これは馬車の時代に右手で鞭を使うことが多いので、対向から来た馬を鞭で打たないように右側通行が多いのでは、といわれています。

一旦通行区分を決めてしまうと、道路はもちろん車もそれにあわせてハンドルの位置が決められてしまうため、政府としても国民としても一朝一夕には変えたくはありません。

しかし、スウェーデンのように周辺諸国にあわせて、従来左側通行だったのが1967年に変更した例もあります。これにはきっと大きな苦労があったでしょう。

さらに日本のように第二次大戦後、沖縄がアメリカの統治下にあったため、やむを得ずアメリカと同じ右側通行だったのを、日本返還後の1978年に左側通行に戻った例もあります。

つまり、英国の植民地だった過去がある国はいまでも左側通行が多いようです。逆にポルトガル、スペイン、フランスなどの植民地は右側通行です。アジアではそういったケースが混在しているのです。

 左側通行と右側通行の国を人口や台数で較べると、現状では中国をはじめとして右側通行の国が多くあります。左側通行の自動車市場は少し前まで日本とイギリスと南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアなどしかありませんでしたが、最近ではインドやインドネシア、タイなどの新興国で自動車保有台数が増加しています。

これらはいずれも左側通行で右ハンドルの国です。やがて2030年頃になると右ハンドル車の生産台数が左ハンドル車の台数を逆転するという予想もあります。インドやインドネシア、タイなどのASEAN諸国の成長はめざましいためです。

 クルマ作りについて述べるならば、以前は左ハンドル車のほうがペダルレイアウトに違和感がありませんでした。これは従来までのFF車の設計ではタイヤハウスの張り出しが車内のスペースに割り込んでしまっていたためです。

左ハンドルはタイヤハウスの張り出しをフットレストのスペースで吸収できるのです。反対に右ハンドルはアクセルペダルが左側に追いやられてしまい、小さなFF車ほどいびつなペダルレイアウトを強いられてきました。

そういった点で左ハンドル、右側通行には一定のメリットがあったといえます。しかし近年、右ハンドル車でもマツダの新型モデルやホンダの軽自動車、フォルクスワーゲン・ゴルフ7に代表されるMQBプラットフォームやポルシェの新型911など車体の設計に工夫を凝らしてこれを打破しています。

具体的に述べましょう。マツダCX−5の新しいプラットフォームの特徴は、フロントタイヤが50mm前方に移動したことです。タイヤが前進したことでホイールハウスがキャビンの中まで張り出すことがなく、アクセルペダルの位置をFRと同じような右側に配置できたのです。
 
 前述のようにFF車はどうしてもホイールハウスがキャビン内に張り出し、右ハンドル車のアクセルペダルが左に寄って配置されるケースが多くありました。このペダル配置の悪さは、日本のコンパクトカーの大きな欠点となっていました。知らず知らずに体を傾けて運転していたのです。

こうした不自然なポジションは、アクセルの踏み間違え事故の原因になっているかもしれません。踏み間違いはお年寄り、と決めつけていないでしょうか。ペダルレイアウトの不自然さが人間のミスを誘発していたのかもしれないのです。

さらに右ハンドルでもアクセルペダルをきちんと右側にレイアウトできるメーカーは今後新興市場で成功する大きなポイントを得るでしょう。先に述べたように世界の趨勢は右ハンドル車市場に傾きつつあり、そういった国々への進出をする自動車メーカーはプラットフォーム革新が求められているのです。

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【DST#Snow_03】メルセデス・ベンツML350ブルーテック / MERCEDES-BENZ ML350 BlueTEC 4MATIC vs NISSSAN X-TRAIL 20GT(加減速編)(6分17秒)
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【DST#Snow_03】メルセデス・ベンツML350ブルーテック / MERCEDES-BENZ ML350 BlueTEC 4MATIC vs NISSSAN X-TRAIL 20GT(旋回性能編)(7分44秒)
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【DST#Snow_03】メルセデス・ベンツML350ブルーテック / MERCEDES-BENZ ML350 BlueTEC 4MATIC vs NISSSAN X-TRAIL 20GT(一般道編)(8分17秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.1(25分20秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.2(15分49秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.3(14分41秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.4(12分14秒)
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EVFシンポジウム「検証、電気自動車の時代は来るか?」part.5(15分1秒)
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中央自動車道 笹子トンネル崩落事故検証に清水和夫が向った (2分51秒)
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アイスクライムに挑戦-清水和夫- / Ice climbing (7分59秒)
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リッター67kmのSUVが登場した / MITSUBISHI Outlander PHEV(7分4秒)
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アウトランダーPHEV開発者インタビュー / MITSUBISHI Outlander PHEV(15分15秒)
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ディーゼルエンジンは今 / MITSUBISHI D:5 D-Premium(9分48秒)
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ボルボV40発表会 / VOLVO V40(4分3秒)
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2014年3月26日水曜日

【清水和夫メールマガジン】第53号 アーカイブス 2013.2.25

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清水和夫メールマガジン〜自動車大航海時代〜
2013年2月25日 第53号
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日本のインフラの高齢化について

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 私は高速道路会社の一つであるNEXCO東日本の懇談委員を務めています。
昨年12月18日にこの年の最後の会議が行われました。緊急課題としてNEXCO東日本から笹子トンネル事故後に行った同社管轄のトンネルの緊急点検の結果が公表されましたが、笹子トンネルと同じ構造のトンネル天井板はなかったと報告されました。

 よく利用する代表的なトンネルでは、アクアラインが気になりました。アクアラインは老朽化による劣化はなく、複数の場所で吊り下げているので、笹子トンネルの構造よりも安全性が高いことがわかりました。しかし、掃気ダクトだけでなくジェットファンなどの重量物がトンネル上部に設置されているトンネルもあるので、緊急点検を行っているそうです。

 その後の調査で笹子トンネルの天井板を支える吊り金具のアンカーボルトに、緩みなど1000か所以上の不具合が見つかったそうです。詳しく見てみると国土交通省の発表では、アンカーボルトの欠落は5か所、脱落が3か所。この中では緩みがもっとも多く、なんと1004カ所で発見されました。さらにコンクリートのひび割れも125か所あったといいます。日本中のトンネルや橋などを点検したら、いったいとどのくらいの不具合が発見されるのでしょうか。

 いずれにしても100km/hで走るクルマの頭上に重量物が落下したら、大事故になることは容易に想像できます。しかもそれが数十トンのコンクリート板なら大惨事は避けられないでしょう。トンネル内の排気ガスを掃気するための措置であるダクト崩落事故は、老朽化が進むインフラ問題として深刻です。

 私は笹子トンネルの事故を見て、2012年5月に起きた藤岡JCTのバス事故を思い出しました。この二つの事故に直接的な関連はありませんが、コンクリート製の欄干にオーバーラップしていない旧式ガードレールがバス事故の被害を大きくしたことを考えると、日本のインフラは総点検する必要があると言わざるを得ません。

 高度経済成長期に一斉につくられた道路、橋、水道などのインフラの老朽化はかくも深刻化しています。福島で起きた原子力発電所の事故も、老朽化と無関係ではないでしょう。社会資本と言われるインフラは延命管理しないとコンクリートでも50年で寿命がくると言われています。

 インフラの維持管理費は地味な予算なので政治家も話題にしませんが、今あるインフラの維持管理こそが緊急課題ではないでしょうか。高速道路の償還が終わる2050年にはなんと約80%の道路が経過年数50年を超えます。少なくとも200兆円近い予算が維持修復管理として必要とされるそうです。

 老朽化と災害対策がインフラ整備の重要な課題であることは間違いありません。
2011年に起きた東日本大震災でわかったインフラの脆弱さや、2012年の笹子トンネル事故が示した老朽化したインフラのリスク──。事故が起きないと真剣に対策でないようでは安心して暮らせる社会はほど遠いといわざるを得ません。戦後急速に発展したモータリゼーションが大きな曲がり角に来たようです。

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【DST#Snow_02】フォルクスワーゲン・ティグアン2.0TSI Rライン4モーション vs フォード・クーガ・トレンド / VOLKSWAGEN Tiguan 2.0TSI R-Line 4MOTION vs FORD Kuga Trend(加速減速編)(6分33秒)
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【DST#Snow_02】フォルクスワーゲン・ティグアン2.0TSI Rライン4モーション vs フォード・クーガ・トレンド / VOLKSWAGEN Tiguan 2.0TSI R-Line 4MOTION vs FORD Kuga Trend(旋回性能編)(7分20秒)
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【DST#Snow_02】フォルクスワーゲン・ティグアン2.0TSI Rライン4モーション vs フォード・クーガ・トレンド / VOLKSWAGEN Tiguan 2.0TSI R-Line 4MOTION vs FORD Kuga Trend(一般道編)(7分24秒)
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清水和夫のSYEドライビングレッスンinスノー2013(パート1) / SYE Driving Lesson in Snow(6分49秒)
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清水和夫のSYEドライビングレッスンinスノー2013(パート3) / SYE Driving Lesson in Snow(6分11秒)
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清水和夫のSYEドライビングレッスンinスノー2013(パート4) / SYE Driving Lesson in Snow(9分47秒)
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清水和夫のSYEドライビングレッスンinスノー2013(パート6) / SYE Driving Lesson in Snow(11分21秒)
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フォレスターはオールマイティなSUV! / SUBARU Forester 2.0XT(8分53秒)
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次期レクサスISのプロトタイプに乗った / LEXUS IS Proto-Type(4分36秒)
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2014年3月15日土曜日

【清水和夫メールマガジン】第52号 アーカイブス 2013.2.10

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2013年2月10日 第52号
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笹子トンネル事故について

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 深夜の首都高速1号線。羽田トンネルにさしかかると前を行くクルマのブレーキランプが点灯しました。そこはブレーキを踏むような場所ではないのですが、多くのドライバーは無意識のうちに速度を落としてトンネルの天井を見上げています。そう、このトンネルは昨年末に崩落事故を起こした中央高速・笹子トンネルと同じ構造の天井板を持っていると報道されたのです。日本では人間だけでなくインフラも同じように高齢化しているとため息が出ました。

 私は数年前からITSの取材を続けてきましたが、取材先では新しい道路インフラの整備よりも、むしろ老朽化したインフラを修理することが緊急課題であることを知りました。コンクリートの寿命はざっと50年。東京は1964年に開催されたオリンピックに間に合わせるために、急速に近代化が進められてきました。そのおかげで戦後復興の旗印として東京は見事に近代都市に生まれ変わったのです。

 首都高速1号線の鈴ヶ森〜羽田間はオリンピック開催の二ヶ月前に開通した路線で、首都高速の中でももっとも古い路線です。取材していく過程で、満50年を迎える2014年頃には利用できなくなるかもしれないという関係者がいました。問題のトンネルの天井版は開通時には存在していなかったのですが、その後高度成長期を経て、クルマの通行量が激増するとトンネル内の排気ガスの充満が問題となり、排気ガスを掃気するために天井版が設置されました。予算確保が難しいとはいえ、老朽化した道路インフラの整備は、急速に近代化した日本社会の緊急課題といえるのではないでしょうか。

 まず何が起きたのか、事実関係から明らかしましょう。2012年12月2日、午前8時3分ごろ、中央高速上り線82.7km地点(大月JCT〜勝沼IC間)、笹子トンネル内に天井から吊されていた掃気を目的としたコンクリート板が落下し、数台のクルマが巻き込まれました。

 幸いにも日曜早朝の上り線だったために、交通量は少なく崩落して走れなくなったクルマに後続のクルマが次々に追突する被害は避けることができましたが、100m以上にわたって百数十トンのコンクリート板が天井から落下しために、運良く逃げることができた人と運悪く下敷きになって脱出できない人がいました。最初の消防隊が現場に駆けつけた時はまだ火災は起きていませんでしたが、その後潰れたクルマが発火し、逃げ遅れた人達が命を失いました。まさに運命の悪戯としか思えない悲劇が起きてしまったのです。

 山岳路が多い日本ではトンネルが多く存在しますが、自動車の排気ガスをトンネル内から掃気する必要がありました。そこで笹子トンネルではクルマの通行量を想定し、地上から4.7mの高さに左右独立した二枚コンクリート製の遮蔽板を吊り下げていたのです。

 送気ダクト側に使われるコンクリート製A板は厚さ80mm、幅5010mm、長さ1195mm、排気ダクト側に使われるB板は同じ大きさで厚さは90mm。それぞれの重さは1.16トン/枚と1.385トン/枚。左右合わせると約2.5トンのコンクリート板が吊されていました。掃気と送気を区別する隔壁板がトンネル上部から垂直に伸び二枚の遮蔽板に繋がっています。

 その掃気・送気ダクトの高さが5.3mと巨大な理由は、60年代の自動車がまだ排ガス規制前の段階なので、大量の掃気が必要だと判断していました。70年代以降に作られたトンネルでは笹子トンネル級の巨大なダクトを持つトンネルは存在していません。しかし国土交通省は事故直後に同様の構造を持つトンネルの緊急点検を実施するように各道路会社に指示しました。その一つのケースが首都高速1号線の羽田トンネルであったわけです。

 多くの報道で笹子トンネル事故は老朽化した取り付けボルトの点検不備などが話題となりましたが、そもそも「数トンの重量物を支えるのに、接着剤を使ったボルトで吊り下げる手法」に違和感を感じるのは私だけでしょうか。ある機械工学の専門家は「機械工学では非常識な取り付け方」という意見も聞かれます。

 垂直にボルトをトンネルの頂上部に接着剤で取り付け、そのボルトにコンクリート板を吊り下げ、しかも運悪く複数で使われるコンクリート板がお互いに連結されていたことが被害を拡大してしまったのではないでしょうか。一箇所のボルトが支えられなくなると、正常なボルトには過大な荷重が加わり百メートル以上にわたって崩落したのです。この事実から読み取るとボルトの老朽化やそれを発見できなかった点検ミスという原因だけでなく、接着剤とボルトでコンクリート板を吊り下げる設計手法が間違っていたのではないだろうかという疑問もわいてきます。

 次回はこの笹子トンネルの問題を踏まえて日本という国の高齢化について考えたいと思います。

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【DST#Snow_01】スバル・フォレスター2.0XT vs 三菱アウトランダー24G vs スズキ・エスクードXG / SUBARU Forester 2.0XT vs MITSUBISHI Outlander 24G vs SUZUKI Escudo XG(旋回性能編)(12分2秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2013/02/dstsnow_0220tsi_r4_vs_volkswag.php

【DST#Snow_01】スバル・フォレスター2.0XT vs 三菱アウトランダー24G vs スズキ・エスクードXG / SUBARU Forester 2.0XT vs MITSUBISHI Outlander 24G vs SUZUKI Escudo XG(旋回性能編)(12分2秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2013/02/dstsnow_0220tsi_r4_vs_volkswag.php

【DST#Snow_01】スバル・フォレスター2.0XT vs 三菱アウトランダー24G vs スズキ・エスクードXG / SUBARU Forester 2.0XT vs MITSUBISHI Outlander 24G vs SUZUKI Escudo XG(一般道編)(11分46秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2013/02/post_6.php

エントリー・ラグジュアリー・スポーツセダン、キャデラックATS発表会 / CADILLAC ATS(5分7秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003152.php

ルマンウィナーが走らせるアウディR8 / AUDI R8 Spyder 5.2 FSI quattro (6分32秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003154.php

208の真打ちか? / PEUGEOT 208 Allure (5分30秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003155.php

【世界のモーターショー】デトロイトモーターショー2013(欧州車編) / North American International Auto Show 2013(9分18秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003173.php

【世界のモーターショー】デトロイトモーターショー2013(アメリカ車編) / North American International Auto Show 2013(8分22秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003174.php

【世界のモーターショー】デトロイトモーターショー2013(日本車編) / North American International Auto Show 2013(8分46秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/02/003175.php

【SYEオンボードカメラシリーズ】BMWアクティブハイブリッド3 / BMW ActiveHybrid3(2分56秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/02/003182.php

【SYEオンボードカメラシリーズ】レクサスLS600h Fスポーツ / LEXUS LS600h F Sport(3分9秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/02/003183.php

【SYEオンボードカメラシリーズ】スバル・フォレスター2.0XT / SUBARU Forester 2.0XT(3分00秒)
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清水和夫のSYEドライビングレッスンinスノー2013(パート1) / SYE Driving Lesson in Snow(6分49秒)
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清水和夫のSYEドライビングレッスンinスノー2013(パート2) / SYE Driving Lesson in Snow(7分47秒)
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2014年2月25日火曜日

【清水和夫メールマガジン】第51号 アーカイブス 2013.1.25

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清水和夫メールマガジン〜自動車大航海時代〜
2013年1月25日 第51号
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NSXへの期待

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 前回はレクサスISについて書きましたが今回はホンダのスーパーカーNSXについて書きたいと思います。

 NSXが紆余曲折しながらも2014年ごろに次期型モデルが復活します。
先日のデトロイトモーターショーでも、次期モデルは初代NSXとは異なり、3モーターのフルハイブリッドで開発されていることが明らかにされています。ミドに搭載されるV6エンジンとモーターを内蔵するDCT(デュアルクラッチ)でリアを駆動します。

 これだけなら単なるミドシップ・ハイブリッド・スポーツカーですが、次期NSXはなんとフロントに左右独立した二つのモーターを配置します。つまり前輪が必要に応じてモーターで駆動するオンデマンドな電動四駆といえます。
多めのリチウムイオン・バッテリーを積めば、なんとプラグイン・ハイブリッドにもなってしまうでしょう。このコンセプトは紛れもなく今年9月18日にラインオフされる予定のポルシェ918と同じコンセプトなのです。918は6000万円以上もするウルトラ級のスーパーカーですが、NSXはおそらく2000万円以下で市販するはずです。

 ハイブリッドだからオリジナルのNSXとは魂が異なる、といわれそうですが、冒頭に書いたようにNSXという名前に隠された魂はパワーで相手と勝負するパワーウォーズ型スポーツカーではなく、「あしたのジョー」的に知性で相手を倒すスポーツカーといえるでしょう。

 パワートレーンは昨年LAショーでホンダの高級ブランド「アキュラ」から発表されたフラグシップモデルLRX(日本名レジェンド)でデビューしました。V6エンジンとモーターを内蔵したDCTで前輪を駆動し、後輪は左右独立のモーターでアシスト的にリアの駆動力を発生させる仕組みです。これは従来から市販されるSH−AWDの電動駆動版といえます。アキュラLRXにはこのパワープラントが搭載されますが、ユニークなのはリアの左右独立モーターがベクタリング機能を持っていることです。リア左右の電気モーターによるベクタリングで駆動力を制御できるのです。

 エンジンは3.5リッターV6の直噴自然吸気エンジンに30kW前後のモーターが7速DCTに組み込まれます。リアのモーターはそれぞれ20kW前後の出力を持ちます。三つのモーターをすべて合わせると70kWのパワーとなります。エンジンが300馬力だとすると、モーターで約100馬力発生するので400馬力級のパワートレーンとなります。このパワートレーンが前後反転してミドシップのNSXに搭載されるわけですが、高度にチューニングされたエンジンは軽く400馬力前後となりそうなので、モーターと合わせると500馬力が次期NSXの戦闘力と予想されます。

 2008年前後に企画されていたV10のスポーツカーは伊東孝伸社長の決断で開発を中止されました。ハイブリッドでもないV10エンジンとSH−AWDのパッケージのNSXがもし、今の時代に市販されたなら、きっとレクサスLFAと同じ運命を辿ったに違いありません。その意味では伊東社長の判断は正しかったと思います。その代わりに生まれるのが、プラグイン・ハイブリッドのスーパースポーツです。タイプRがあるとしたら、プラグインはやめて軽量モデルとして登場するでしょう。500馬力でGT−Rのニュルブルクリンクのタイムを凌駕するのは可能でしょうか? 考えるだけでわくわくします。

 私はその秘密兵器といえるのがフロントの左右のタイヤをモーターでベクタリングする電動SH−AWDではないかと考えています。前述のようにモーターでベクタリングすると、内輪は回生ブレーキとなるので、電力を生み出します。その電気エネルギーを外輪に伝えると駆動力となります。つまり、電動SH−AWDはエネルギーを左右のタイヤでやり取りすることが可能なのです。
 しかもクルマの旋回性能をモーターでアシストできるので、旋回速度は想像もできないほど速くなるでしょう。エンジンのパワーを高めて直線を速くする従来の手法ではなく、柔よく剛を制すの魂でコーナーリング性能を高めることでサーキットの速さを実現しようとしているのです。

 初代NSXが280馬力でも400馬力級のスポーツカーを追いかけることができたのは「軽さ」でした。今度のNSXは「軽さ」に加えて「知的さ」で勝負するはずです。NSX開発チームはポルシェ918をベンチマークとしていますが、ポルシェ918はいまだ全貌が見えてきません。その918のニュルブルクリンクのラップタイムは7分10秒前後と予想されています。もはやラップリーダーはGT−Rではなくこれらのハイブリッドスポーツカーなのです。

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【DST#051】BMW 640iグランクーペ vs アウディA6ハイブリッド / BMW 640i GranCoupe vs AUDI A6 Hybrid(加減速篇)(7分42秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2013/01/dst051.php

【DST#051】BMW 640iグランクーペ vs アウディA6ハイブリッド / BMW 640i GranCoupe vs AUDI A6 Hybrid(ハイスピードライディング篇)(5分0秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2013/01/dst051bmw_640i_vs_a6_bmw_640i.php

【DST#051】BMW 640iグランクーペ vs アウディA6ハイブリッド / BMW 640i GranCoupe vs AUDI A6 Hybrid(ダブルレーンチェンジ篇)(4分45秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2013/01/dst051_2.php

【DST#051】BMW 640iグランクーペ vs アウディA6ハイブリッド / BMW 640i GranCoupe vs AUDI A6 Hybrid(ウエット旋回ブレーキ篇)(6分4秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2013/01/dst051_3.php

Wheel Talk! 第26回ホイールトーク「2013年の業界天気予報」Part.1/5(12分9秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003138.php

Wheel Talk! 第26回ホイールトーク「2013年の業界天気予報」Part.2/5(10分55秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003139.php

Wheel Talk! 第26回ホイールトーク「2013年の業界天気予報」Part.3/5(11分49秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003140.php

Wheel Talk! 第26回ホイールトーク「2013年の業界天気予報」Part.4/5(11分19秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003141.php

Wheel Talk! 第26回ホイールトーク「2013年の業界天気予報」Part.5/5(9分28秒)
http://www.startyourengines.net/video/2013/01/003149.php

東京オートサロン2013 / TOKYO Auto Salon 2013 (4分1秒)
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CARトップ 筑波サーキットテスト2012冬 / CARTOP Tsukuba Circuit Test 2012 Winter
http://www.startyourengines.net/topics/2013/01/003142.php

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2014年2月10日月曜日

【清水和夫メールマガジン】第50号 アーカイブス 2013.1.10

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清水和夫メールマガジン〜自動車大航海時代〜
2013年1月10日 第50号
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レクサスISの実力

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 ついにレクサスが次期ISの外観を明らかにしましたが、昨年プロトタイプに試乗した際の印象について書きたいと思います。

 プロトタイプ試乗会は、スパイフォトの餌食にならないように、外観こそ明かされませんが、新型車に採用される新しい技術やメーカーの考え方をいち早く知るには都合がいいのです。このような発表前の事前試乗会は欧米では「ロングリード」と呼ばれ、頻繁に行われています。

 アメリカで生まれたトヨタの高級ブランド、レクサスはロングリードを「LEXUS Meet the engineer」と呼び、世界の主要国メディアを招いて開催しました。レクサスが最も売れているカリフォルニア州ロサンゼルス郊外で確かめた新型ISシリーズの実力を報告します。

 我々の前に姿を現したのはカモフラージュしたプロトタイプです。奇妙奇天烈な唐草模様のフィルムを纏っているので、かえって目立ってしまうのでは、と心配になります。今回明らかになったスペックはボディの3サイズだけですが、よく見ると全体のシルエットは想像できました。新型ISは2012年に市販されたGSのプラットフォームを基本として開発されています。そのためGSよりもコンパクトなボディですが、先代のISより若干大きくなりました。

 ボディサイズは先代のISよりも全長が75mm長くなり、4660mmとなりました。ホイールベースは70mm伸びて2800mm。これなら後席にゆったりと座れるでしょう。全幅は12mm広く1812mmとなりました。しかし小さな高級FR車として支持されてきたため、大きくなったことに不安を感じます。

 コンパクトな高級FR車のルーツは1980年代に登場したメルセデス・ベンツ190Eです。190Eこそ、現在のプレミアムコンパクトセダンのメートル原器です。190EからCクラスに発展し、ISはもちろんアウディA4やBMW3シリーズにも影響を与えています。レクサスISは190Eのエッセンスを持っていることが、大きな価値でした。少し大きくなったとはいえ、最近のCクラスや3シリーズを見てもわかるように1800mmがスタンダードとなっているので新型ISはグローバルには的を射ているといえます。

 ボディ技術は剛性と軽量化のために、接着剤やレーザー溶接などを多用しています。とくに接着剤はレクサスとしては新しい取り組みといえます。ISの開発を指揮する古山淳一チーフエンジニアは、エモーショナルな走りの実現を掲げており、そのためにも、ボディ剛性が重要であると述べています。たしかに、先代のISよりもステアリングの手応えはグッと重みを増し、タイヤのグリップ感がしっとりと伝わってきます。この感覚はBMW3シリーズに似ていると思いました。

 エンジンは3.5リッターV6と2.5リッターV6のガソリン・エンジンとさらに待望のハイブリッド「IS300h」が仲間入りしました。このハイブリッドには新開発の2.5リッター直噴4気筒エンジンが搭載され、トヨタ独自の2モーター・ハイブリッドTHSが組み合わされます。スペックは現時点でまだ未発表ですが昨年12月25日に発売した新型クラウンにも同じハイブリッドシステムが採用されるので、そこから推測すると最大トルクは300Nm前後のトルクを発生するはずで、このパフォーマンスなら充分な加速が期待できます。

 欧州ではそれまで販売していた2リッターディーゼルは姿を消し、IS300hが追加されました。つまり、レクサスはガソリン・ハイブリッドでディーゼル・エンジンに対抗する覚悟なのです。IS300hの燃費性能はBMW320dよりもCO2排出量で優位に立とうという目標を持っています。欧州混合モードのCO2排出量で100g/km以下を狙っているそうです。条件は異なりますが、日本ではリッター22km前後の燃費が期待できます。

 実際に乗ってみると、従来の退屈だと思われがちなハイブリッドではなく、肉食系とまではいきませんが、ある程度パフォーマンスと燃費性能がうまくバランスしていると感じました。そういえばISの名前は「インテリジェント・スポーツ」を由来としているので、ハイブリッドこそISにもっとも相応しいパワープラントかもしれません。

 特設コースでジムカーナを試しました。軽量なスポーツセダンらしく、3.5リッターV6を積むIS350は、非常にホットでした。濡れた路面ではドリフト走行も自在にと言いたいところですが、シャシー性能がまだ完成されていないので、タイヤが滑り出す領域では走りにくい部分もあったのも事実です。試乗会で酷使されたため、タイヤが偏摩耗していたことが原因のようです。

 IS350には8速トルコンAT、ベースモデルにはIS250には6速トルコンAT、ハイブリッドのIS300hには電気式CVTが組み合わされます。ということはISは、なんと三種類のギアボックスを持つのです。さらに、ステアリングもVGRS(可変ギアレシオステアリング)とノーマル・ステアリングの二種類が用意されます。さらにブレーキもハイブリッド用のバイワイヤーブレーキとノーマルブレーキが用意されます。色々なユニットがモデルごとに組み合わされるので、どれが本当のISの実力なのでしょう?

 おそらくハイブリッドが4番バッターであることは間違いありません。そして可能ならばハイブリッド車にVGRSのステアリングを組み合わせてほしいと思います。せっかく電気式CVTとエンジン特性を見直したことでリニアな加速が愉しめるようになったので、ダイレクトなステアリングVGRSが加わればIS300hは世界のライバルと戦えるでしょう。

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清水和夫より新年のご挨拶
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島下泰久より新年のご挨拶
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石井昌道より新年のご挨拶
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吉田由美より新年のご挨拶
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バリエーション豊富な3シリーズにハイブリッドが追加された / BMW ActiveHybrid3(11分30秒)
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CARトップ 筑波サーキットテスト2012冬 / CARTOP Tsukuba Circuit Test 2012 Winter(9分35秒)
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ポルシェが作るとハイブリッドはこうなる? / PORSCHE Cayenne S Hybrid(6分23秒)
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【Start Your Engines Chronicles 2010】【世界のモーターショー】デトロイトオートショー2010 / North American International Auto Show 2010(12分27秒)
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2014年1月25日土曜日

【清水和夫メールマガジン】第49号 アーカイブス 2012.12.25

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清水和夫メールマガジン〜自動車大航海時代〜
2012年12月25日 第49号
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海外試乗会の裏側

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 われわれは世界中で行われる新車試乗会を取材しています。その試乗リポートは様々な所で読めますが、その車をどのように取材しているのかはあまり知られていません。そこで2012年最後のメルマガは、普段あまり見ることのない取材の裏側を少しだけ書きたいと思います。

 今年の五月の連休は四つの新型車の試乗会が重なり、帰国した頃には体力も知力も使い果たしてしまったことがありました。その時の渡航計画は8泊11日10フライトでした。訪れる国や街が毎日のように変わり、ホテルのチェックインとチェックアウトを繰り返すことになるため、移動と宿泊がスムーズにいかないととてもストレスとなります。もっとも高いリスクは飛行機の乗り遅れやバゲージロストです。

 最近のハードな欧州取材ツアーは羽田→フランクフルト→ビュルツブルグ(陸路)→フランクフルト→ミュンヘン→グラーツ(オーストリア)→フランクフルト→ブラッセル→モロッコ→ブラッセル→羽田というルートでした。この行程の後半のフランクフルトでグラーツからブラッセル行きは同じルフトハンザで、定刻通りフランクフルトに到着しましたが。バゲージは乗り遅れてしまいました。乗り継ぎ時間がわずか50分だったのです。

 日本の旅行代理店が乗り継ぎ便を指定しても、信用はできません。航空会社は人間だけ乗り継げればよいと考えている節があるのです。私はバゲージロストを想定していたので、最低限必要なモノは手荷物にしまっておきました。パンツくらいなら一晩我慢できます。あるいは自分で履いてお風呂に入り、洗濯してもいいでしょう。バゲージロストしたことでバゲージサービスの職員に噛みついても始まりません。航空会社から委託を受けた別会社が多いのです。とにかく次のステップの交渉をするべきです。

 さてグラーツからフランクフルト乗り換えでバゲージロストしましたが、それ以外は問題なく、快適な旅でした。ブラッセル→モロッコ間はランドローバー社が手配したチャーターフライトです。昔はアラブの王様が乗るような超豪華チャーター便もありましたが、最近は小型ジェットに詰め込まれるケースが少なくありません。

 小型のチャーター便というと聞こえがいいかもしれませんが、私には苦い経験があります。それはアウディでミュンヘンからラップランド(北極圏)に飛んだ時のことです。日本人だけで10名くらい乗る小型ジェットでした。バゲージは足元におくほどの狭さです。そのために、用意してあるトイレは荷物置き場に改造されていました。つまりトイレなしです。

 なんとか私は三時間あまりのフライトを我慢できましたが、復路で事件が起きました。ある雑誌の編集者がトイレに行きたくなったのです。当然トイレがないことは百も承知です。機長に相談すると、大きいのか小さいのか聞かれ、「大きいのだ」と答えると無視されました。同乗者間で協議した結果、大きなビニール袋にすることになりました。臭いを緩和するために、みんなで一斉にタバコを吸い、「今だ!」とかけ声をかけ、用を足しました。しかし、次は自分の番かもしれないとみな冷や汗ものでした。

 話を現在に戻しましょう。今回の試乗会のトップバッターはキャデラックATSでした。朝5時にフランクフルト空港に着きましたが、キャデラックの試乗会までの数時間を空港のホテルで過ごしました。ハブ空港にはこうしたホテルは必須ですが、ドイツではどこもチェックインに手間取ります。セッカチな私には耐えられない遅さなのです。おそらく一人一人の能力の問題ではなく、コンピューターシステムが古いのでしょう。しかもアメリカのサービス業と異なり、ドイツ人は愛想が悪いのでイライラが増幅します。クルマは素晴らしいが、人間としての魅力はそんなに高くないといつも感じてしまいます。

 昼すぎにキャデラックの試乗会が始まりました。たいていジャーナリスト二人でペアを組みます。最近の試乗会はナビにルートがインプットされますが、時にナビのガイドが不親切だったり、ドイツの移動スピードにガイダンスが間に合わないなどあてなりません。しかし、キャデラックが開発したカーナビはそれまでみたことがないほど、完成度が高く、ユーザーインターフェースに優れていました。

 海外試乗会はどのメーカーもプレゼンを受けてから試乗します。まれに試乗が先で、プレゼンが後になるケースもあります。そして必ず用意されるのは、夕食会を兼ねたエンジニアとの懇談会です。その晩の懇談会はビュルツブルグの中央駅から徒歩15分くらいの世界遺産のレジデンツで行われました。18世紀に建てられた宮殿ですが、その地下はドイツで二番目に大きいワイン醸造所です。

 事情を知らない人から「高級ホテルに接待されている」と揶揄されることもありますが、懇談は接待ではなく欧米流のコミュニケーションの一種です。欧米の広報はメディアとエンジニアを自由にコミュニケーションさせます。宣伝部の別働隊だったり、イベント屋であることが多い日本メーカーの広報とはかなり違います。

 ベテラン自動車ジャーナリストのジャック山口さんとよく話すのは、自動車メーカーの中でGM広報は世界最高であるということです。良いことも悪いことも耳を持っています。良いことだけを言う広報はアメリカのメディアでは御法度のようです。ドイツは日本よりも成熟しているが、最近はマーケティングによりすぎていないだろうかと感じています。

 実際、黙って美味しい料理を楽しむ時間はあまりありません。試乗した印象を伝えたり、公式には聞きにくい色々な話を聞き出したりするのです。だいたい後から考えて何を食べたか思い出せないことが多いくらいです。新車のコンセプトや技術的ハイライトを取材し、テストドライブしてインプレをリポートできるように頭に叩き込み、エンジニアとコミュニケーションする──海外試乗会はその繰り返しです。

 私はキャデラックの試乗会を無事終えると、わずかな時間を利用して、ミュンヘンに飛びました。BMWのM50dという肉食系ディーゼルを取材するためです。セッカチな私にとって一人旅はストレスがありませんが、写真だけは一人で撮りにくいので困ります。このあたりはフェイスブックに載せていますのでご覧になったかたもいるかと思います。

 M50dのパフォーマンスに酔いしれたあと、ミュンヘンからグラーツに飛び、ポルシェ911カレラ4の試乗会に合流しました。最後の取材は前回のメルマガで書いたレンジローバー試乗会です。モロッコを走る冒険ドライブが待っていました。アトラス山脈を従える地平線の向こうに何があるのだろうか?つい200年前まで人はそんな世界の果てを追い求めてきました。今や飛行機でかなりの範囲を縦横無尽に行けるようになったのですからありがたいことだと思います。

 旅の最後はなぜか寂しく感じます。いくつもの思い出が心の中をよぎり、その過ぎ去った時間が寂しさを助長させます。しかし、私はなぜかその寂しさの中に心地よさを感じます。私には帰るところがあるから、そう感じるに違いないといつも思って帰途についています。

 それではみなさんよいお年をお迎えください。

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【DST#050】アウディQ3 2.0TFSI 211PS Sライン vs BMW X1 20i / AUDI Q3 2.0TFSI 211PS S-line vs BMW X1 20i(加減速篇)(7分37秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2012/12/dst050.php

【DST#050】アウディQ3 2.0TFSI 211PS Sライン vs BMW X1 20i / AUDI Q3 2.0TFSI 211PS S-line vs BMW X1 20i(ハイスピードライディング篇)(4分37秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2012/12/dst050_1.php

【DST#050】アウディQ3 2.0TFSI 211PS Sライン vs BMW X1 20i / AUDI Q3 2.0TFSI 211PS S-line vs BMW X1 20i(ダブルレーンチェンジ篇)(4分26秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2012/12/dst050_2.php

【DST#050】アウディQ3 2.0TFSI 211PS Sライン vs BMW X1 20i / AUDI Q3 2.0TFSI 211PS S-line vs BMW X1 20i(旋回ブレーキ篇)(5分31秒)
http://www.startyourengines.net/dst/2012/12/dst050_3.php

フォルクスワーゲン・ゴルフ国際試乗会 / VOLKSWAGEN Golf(7分51秒)
http://www.startyourengines.net/video/2012/12/003109.php

あらためて欧州で試すCX-5ディーゼル / MAZDA CX-5 SKYACTIV D(9分10秒)
http://www.startyourengines.net/video/2012/12/003114.php

アウディ先進技術ワークショップ / AUDI Future lab(6分50秒)
http://www.startyourengines.net/video/2012/12/003116.php

ボクサー・ディーゼルを欧州で試す / SUBARU XV 2.0D (9分11秒)
http://www.startyourengines.net/video/2012/12/003115.php

ベントレーにもダウンサイジングの時代が? / BENTLEY Continetal GT V8(10分45秒)
http://www.startyourengines.net/video/2012/12/003087.php

ホンダ先進技術ワークショップ / HONDA Advanced Technology(6分42秒)
http://www.startyourengines.net/video/2012/12/003117.php

清水和夫JU講演「変革期に突入した世界の自動車産業」(17分45秒)
http://www.startyourengines.net/video/2012/12/003125.php

ゼロクラッシュジャパントークショー@松本(14分34秒)
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3250万円のメルセデス・ベンツ / MERCEDES-BENZ G65 AMG(6分32秒)
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マクラーレンMP4-12Cスパイダー発表会 / MCLAREN MP4-12C Spider(4分33秒)
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