2010年4月27日火曜日

NHK総合 Bizスポ

4月30日(金)のNHK総合「Bizスポ 金曜ワイド」に、「トヨタリコール問題 信頼回復の取組」についてコメンテーターとして生出演します。お時間のある方は是非ご覧下さい。

放送日:2010年 4月 30日(金)22:55~23:50
番組名:NHK総合 Bizスポ 金曜ワイド
HP:http://www.nhk.or.jp/bizspo/

2010年4月21日水曜日

JAMAGAZINE 2010年春 第44号 寄稿記事【日本自動車工業会】

一般社団法人 日本自動車工業会が発行する季刊誌「JAMAGAZINE」に、エンジンの過給器に関する技術の進化についての記事を寄稿しました。
ここにはダイジェスト版を掲載しておきますので、全文はJAMA Webページのライブラリーにてご覧下さい。

●エンジンを補佐するさまざまな補機類の誕生とその役割                                     清水和夫
内燃エンジンの出力を補ったり、排出ガスのクリーン化のために、クルマにはさまざまな工夫が凝らされている。ここではこうした内燃エンジンを補佐する役割として考案された代表的な技術について説明することにしよう。

○過給器の誕生と進化の道筋
一般的に過給器と言えば、排出ガスのエネルギーを使ってコンプレッサーを回し、空気を圧縮してシリンダーに吸入させるターボチャージャーと呼ばれるものと、クランクシャフトの回転軸から直接コンプレッサーを回して空気を圧縮するスーパーチャージャーがあるが、どちらの技術も現在は実用化されている。・・・・・・

○ターボエンジンの胸のすく加速
ところでターボの歴史を辿ると、意外にも日本では80年代から90年代にかけていろいろなターボ技術が生まれている。日本はターボ立国だった時代があったのだ。
日本で初めてターボエンジンを乗用車に利用したのは1979年の日産セドリックであった。当時はオイルショックに襲われ、エネルギー危機が叫ばれていた時期でもあり、省エネという発想でターボエンジンが乗用車に搭載されたと伝えられているが、大きなエンジンを搭載することなく高出力が得られるターボエンジンは商品戦略上重要であった。・・・・・

○欧州ではディーゼルターボでオイルショックに対応
一方、ドイツでもオイルショックは深刻に受け止められ、自動車メーカーは燃費向上のためのさまざまな技術が研究されるようになった。このころから日本も含め世界中のメーカーで乗用車ディーゼルの開発が進められたが、メルセデスベンツは乗用車用ディーゼルエンジンをターボ化することに成功していた。リーンバーンと高圧縮比が可能なディーゼルエンジンこそ、ターボとの相性が良いことを証明するために、1977年のフランクフルトショーで同社の最高級車Sクラスに300S Dを発表し、ターボ化したディーゼルエンジンのパフォーマンスを世に示した。・・・・・・

○ホンダのF1でターボパワーが作裂
ガソリンエンジンの場合、どうしても「ターボ=高性能」という図式を思い浮かべてしまう。その理由は80年代のF1が影響しているのではないだろうか。当時のF1のレギユレーションでは3ℓの排気量と決められていたが、過給器はその半分なら許可されていた。だれもターボの可能性に挑戦しなかったとき、1977年にルノーはF1に1.5 ℓV6ターボを開発しターボ時代が幕開けした。・・・・・

○ガソリン直噴エンジン
ターボ技術が話題となっていたころ、燃費の良いガソリンエンジンを開発する取り組みが世界的に行われていた。そのひとつの可能性として気筒内直噴エンジンが話題となった。ガソリンエンジンの直噴化は、シリンダー内にガソリンを高い圧力で噴射するために冷却できるメリットがある。その結果、充填効率が高まりエンジン全体の効率が高まるのである。これが直噴エンジンの大きなメリットである。・・・・・・

○ダウンサイジングと直噴ターボ
2005年になるとVWはゴルフ5に1.4gの直噴夕-ボ・TSIエンジンを誕生させた。出力は170ps、トルクは240Nmと2.7gエンジン並みのパフォーマンスであった。 VWの悩みは行き過ぎたディーゼル人気をいかにしてガソリン車に戻すのかであった。このころはまだゴルフよりも下のクラスで使える小排気量のディーゼルがなく、コストを考えるとガソリンエンジンの進化が求められていた。そこでTSIは人気急上昇中のディーゼルTDIに負けないようにすることが必要であったのだ。・・・・・・

○VWはどこまでダウンサイジングするのか
VWのTSIはますますサイズダウンしてきている。このような戦略が取れるのは、TSIに対する信頼感が高いからだ。二作目として登場したのは140ps/220NmのTSIだ。日本ではゴルフ・コンフォートラインとして市販されているが、本国ではレギュラーガソリン仕様のTSIということになる。・・・・・・

○ターボタイムラグとの戦い
ターボエンジンにとってブースト圧が高まるまでのいわゆるタイムラグはドライバビリティの上で重要な課題であった。しかし、最近のターボはタービン本体にいろいろな工夫を凝らしたり、あるいはロー・プレッシャー・ターボと呼ばれる圧縮比を高めてブースト圧を低く設定するターボエンジンも登場してきている。 VWが開発したツインチャージャー型TSIは低い回転域はスーパーチャージャーが担当し、高回転成ではターボに引き継がれる。しかし、シングルチャージャーのTSIでは1500回転という低い回転成でも最大トルクを産み出すことができるほどタイムラグは解決している。・・・・・・

○バリアプル・ノズル・ターボ(VN)と環境性能
さて、バリアブル・ノズル・ターボは最新のディーゼルエンジンに極めて重要な役割を果たしている。ディーゼルをクリーン化するためにERG(排出ガス循環システム)を使って排出ガス(主にC02)をシリンダーに還流することで、窒素酸化物生成の原因となる余分な酸素濃度を下げることができる。さらにシリンダー内の温度を冷やすことができるので、低温燃焼が可能だ。しかしタ一ボで過給された圧縮空気が押し込まれると酸素濃度は変化してしまう。従来はEGRバブルで還流する排出ガスを制御していたが、近年はEGRをターボの上流に還流させ、空気と一緒にシリンダーに押し込むターボシステムが開発されている。・・・・・・

○スーパーチャージャー
過給器はターボチャージャーが主力であるが、ジャガーとアウディはスーパーチャージャーを使うエンジンを持っている。ジャガーの場合は、新開発の5ℓV8の直噴エンジンをスーパーチャージャーで週給する。最大出力は510ps、最大トルクは625Nmを発揮しXFR、XKR、新型XJに搭載される。
ジャガーが採用した直噴技術はシリンダーの中央にインジェクターを持つスプレーガイド方式で、全負荷領域でストイキ燃焼を採用している。・・・・・・・

○結語
ここまで世界の自動車メーカーがどのように過給エンジンを開発してきたのか見てきたが、今後、過給エンジン(ディーゼルとガソリン)は、環境対策上、重要な技術となるはずだ。乗用車ディーゼルでは100%のエンジンがターボ化されており、またダウンサイジングと直噴を組み合わせたガソリンエンジンはターボ化することで・・・・・・

2010年4月20日火曜日

運転中のヒヤリハット体験アンケート結果

運転中のヒヤリハット体験やクルマの安全性に対する意識について、インターネットによるアンケート調査を(株)コムデックスの協力を得て実施いたしました。
その結果をアップいたしますので参考資料としてご活用下さい。

2010年3月26日金曜日

プラグインハイブリッドの起源 <瀧本藤夫氏 寄稿>









3月8日付の日経ECO JAPANに掲載されたプラグインハイブリッドの記事について、ご覧頂いた瀧本藤夫さんからプラグインハイブリッドの起源についてとても興味深い意見を頂きました。ご本人の了承が得られましたのでここに掲載させていただきます。
瀧本藤夫さんは、以前スバルの富士重工業に勤めていらっしゃった方で2008年に定年退職され、現在は技術コンサルタントや翻訳をされています。

日経ECO JAPAN記事
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20100304/103329/

以下転載本文

Plug-In HEV (PHEV)の概念は、米国UC-Davis (カリフォルニア大学デービス校)のAndrew Frank教授とAndrew Burke博士を中心とする人達が最初に提唱し、1998年頃はCharge-Depleting HEVと呼ばれていた。これに対してプリウス等、外部充電の必要のない従来のHEVをCharge-Sustaining HEVと呼んでいた。

2001年頃になると、Charge-Depleting HEVに替わってGrid-Connected HEVという呼び方とPlug-In HEVという呼び方が混在して使われるようになり、最近になってPlug-Inが優勢になって来ている。(Gridは電力会社の電力供給網、Plugは日本でコンセントと呼ぶWall Plugから由来する)

90年代後半に米国DOE主催、SAE運営によるFutureCar Challengeという、学生達が低公害車を製作する大学間のコンペがあり、 Frank教授はこれに参加するため学生達にPlug-InコンセプトのHEVを作らせていた。その当時はクリントン政権のPNGVプログラムの目標に沿ってTaurusクラスの5人乗り乗用車であり、97年に96年型Ford Taurusをベースとした車体にホンダの軽自動車エンジンと5速MTを使い、Jouleという名前の車が作られた。

Frank教授はもともとCVTの制御が専門で、Jouleの次の車を作るに当たり既存のCVTベルトとプーリのシステムに独自の油圧制御系を加えたものを使う希望を持っていた。そのために当時ホンダの軽自動車エンジンは回転方向が通常の逆で、入手可能だったCVT(ニッサン提供)と組み合わせられないため、エンジンはスバルが提供した軽乗用車用のものに変更されている。

車は99年に完成し、Coulombと名付けられた。車体はFordから提供されたMercury Sableのアルミコンセプトボディ(94年型の生産型を使ってアルミをプレスしたもの)、モータはUnique Mobility社の75kW級、バッテリはOvonic社のNiMH 18.6kWh。レイアウトはエンジン、CVT、モータが横1列に並び、互いにスプライン接続されているものであった。

またエンジンとCVTの間にはスバルのMT用クラッチが設けられ、バッテリは床下に敷き詰められていた。エンジンの補機類は全て取り外され、ステアリングを始め電動のものが装着されていた。燃費はCityで64.7MPG (≒27.5km/l)、Hwyで62MPG (≒26.4km/l)、航続距離は約300マイル (483km)であった。(UCDにはCDMがないので計測は外部に依頼)エンジンが動くのは、SOCが50%以下になった時と車速が50mph以上になった時のみ。※Coulomb詳細については、添付の技術論文を参照

PHEVコンセプトは当初カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制への対応という面から注目されるようになっていった。バッテリEVと水素を燃料とするFCVが完全なZEVとして認められているが、エンジンで走る車もエミッションの多寡に応じて部分的にZEVとしてカウントするPZEV(Partial ZEV)というカテゴリーが存在し、HEVでも市街地内では排気ガスを全く出さないようにバッテリのみのEV走行が好ましいとの理由から、EV走行が何マイル出来るかによってPZEVのポイントが調整される。

しかし、当時Plug-Inの考え方は余り受けがよくなく、「EVでもないのに外部充電が必要だなんて」と懐疑的な意見の人が多かった。特に自宅に夜間充電が出来るようなガレージのある家が少ない日本や欧州では論外という感じであった。風向きが変わってきたのは、通常の通勤には夜間電力利用による低コストが期待でき、遠出をした時も航続距離が確保できるという利便性が米国で強調されるようになってからで、トヨタプリウスのEV走行機能を利用して(米国向けには切替スイッチが未装着)、プリウスをPlug-InHEVに改造する業者が2005-6年頃からあちこちに出てきている。

CO2低減効果に関しては、EVと同様、地域毎に各種発電所の比率が異なるため一概には言えないが、日本や欧州の一部のように原子力発電や天然ガス発電の比率の多いところではPHEVによって低減できる。しかし米国や中国、インドなどではカリフォルニアなど一部の地域を除き石炭火力の比率が多く、現状では低減効果はあまり期待できないとされていた。しかし、この計算にもいろいろと不確定要素があり、車両のエネルギー効率が高いため、例え石炭火力発電の比率が多く、送電によるロスを考慮してもCO2低減になるという意見もある。

参考文献:
http://docs.google.com/fileview?id=0BwZlGfn1abyXYzZjZGMzYzAtNmQ1Yi00NGE5LWI3M2ItZDZlYWIzNjAyYTg4&hl=ja

2010年3月24日水曜日

Fuji Sankei Business i <2010.3.23>

3月23日(火)のフジ サンケイ ビジネス アイ紙に、車の次世代エネルギーについてのコラムが掲載されました。

2010年2月26日金曜日

「次世代のモビリティ」コラム

 20年後に多数を占める高齢者の移動手段はどうなるのか。近距離移動用として、EV(電気自動車)中心に都市計画を考え直すことが必要だ。


 CNG(天然ガス)自動車は日本では、商用車向けに普及してきたが、今「燃料を選ぶ時代」になってきた。CNG車を一般向けに普及できない国がどうして水素を普及することができるのか。内燃エンジンの可能性が見直されてくるに伴い、相対的に水素のハードルが高くなってきた。

 新興国ではエコロジーの前にまずエコノミーがくる。こうしたことを踏まえたうえで、軽く小さく空気抵抗の少ないクルマをつくり、供給していく責任が先進国にある。先進国の目線で開発することは何としても避けていくべきだ。普及できない環境技術は世界に貢献できない。

 人工合成燃料に期待がかかる。一次エネルギーをチョイスするにもいきなり日本は原子力にいってしまう。日本の自動車メーカーは、ピストンエンジンの可能性を追究していくべきである。

 リチウムも水素もハードルが高い。100年かけて成熟した内燃エンジン技術を捨てるのはもったいない。ただ、内燃エンジンは低速のノロノロが得意ではない。EVとガソリン車とのハイブリッドがよい。スピードはエンジンにまかせ、1+1=3の効果を出す。
 大掛かりなインフラは不要であり、EVについてはEVに相応しい使い方の工夫をする。世界の自動車メーカーが10年後に目指しているのは、エンジンの著しい進化とハイブリッド化である。

 宇宙船地球号でクルマと人とが仲良くやっていくためには多様性を残していくことが大切だ。



水素エネルギーシンポジウム 岩谷産業

2010年2月25日(木)に大阪で行った、岩谷産業主催の「水素エネルギーシンポジウム」で講演したプレゼン資料をアップしておきます。